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社 長 挨 拶
株式会社 菊地建設工業
 
  代表取締役社長
       樋渡 敦

 久しぶりに中学時代の卒業文集を開いたのは三十代半ばになってからでした。  文集のインクは薄汚れていたがそれ以上に自分が書いた内容は全く記憶になかった。

 『将来の夢?なりたい職業は?』・・・・・

ただ漠然となんの根拠もなっかた十五才の少年が『建設会社を経営したい』と書かれていました。

 父は元国鉄職員、母は専業主婦。 兄二人、姉三人、八人家族で六人兄姉の末っ子である。兄姉、そしてその連れ添いの中にも経営者は一人もいませんでした。

 帯広の普通高校から札幌大学に進学し経済学を学んだ。 卒業してすぐに地元の測量会社で総務担当の仕事を命ぜられました。  しかし測量会社に籍を置きながら現場に連れ出されても戦力にならず、退職し資格を取るために測量専門学校に入学しました。 卒業後は前の会社に復職し現場に出た。

 二十六才で結婚し二十八才の時に建設業を営む義父から『一緒に会社やってみないか?』 との話がありました。 悩み抜いた結果義父の人柄と情熱に心を打たれ、やってみようと覚悟を決めました。

 しかし一年後社長(義父)は、脳梗塞で倒れ入院十日目で他界しました。 

 三十才で会社を任された経営の大変さ、握りこぶしから築きあげた義父の会社を自分が潰す訳にはいかない重圧。 眠れない日は何日もありました。 しかし周りの人達が助けてくれた。その恩は今でも忘れません。 

 人生は色々な事を経験する『人間万事塞翁が馬』これが私の座右の銘です。

 会社経営して三十年になりますが、今だに資金繰りには頭を悩ます事が多いです。  だが社員には恵まれました。 会社の中で笑い声が聞こえてくるのはホッとする。 社員とその家族の生活を守るのが私の最大の仕事です。 

 『他人に頭を下げると言うことは、自分の為だけでなく会社、そして働いてくれる社員の為だ』これは私の仲人であり前の会社の社長から学んだ事です。

 来年還暦を迎えるにあたりもうひと踏ん張りしてみようと思います。 

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